2020年大学入試改革情報

共通テスト分析⑦ 数学ⅡB 2021

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こんにちは!

トライプラス鎌取駅前校高等部の青木です。

前回に引き続き、今年度の共通テスト数学ⅡBの分析を行います。

大問構成

大問1 必答 三角関数、指数・対数関数 30点
大問2 必答 微分積分 30点
大問3 2問選択 確率統計 20点
大問4 数列 20点
大問5 ベクトル 20点

共通テストでも大枠の大問構成は変わっていません。

大問1、2で数Ⅱの内容が出題され、三角関係、指数関数、微分積分などが出題されました。大問3、4、5は数B内容の選択問題で、3つの大問から2つを選ぶ形式です。例年通り、ベクトル、数列、確率統計の3つの単元から出題され、その中から2つを解答する形式でした。

数ⅡB出題内容、微分積分

配点も従来のセンター試験と同様で、大問1、2で数Ⅱ内容から60点、大問3、4、5で数B内容から40点でした。

なお、大問3は確率統計が出題されていますが、ほとんどの大学で指定されていない単元なので、本稿では省略します。

設問分析

大問1[1]

[1]は三角関数の単元で、三角関数の合成が出題されました。

(1)は基本的な問題ですね。(2)で加法定理を使ったcos型の合成が出題されています。三角関数は普通、sin型の合成を使うので、cos型の合成など見たこともなかった人が多いと思います。

三角関数の合成の問題

「合成の計算は加法定理から導かれる」という、合成に関する本質的な理解が必要な設問でした。単なる解法暗記では乗り切れないところを問う問題で、非常にいい問題だと思います。

補足ですが、cos型の三角関数の合成は、1998年のセンター試験で出題されています。過去問演習を豊富に取り組んだ人の勝ちですね。

大問1[2]

[2]は、指数関数に関して、性質を考える問題でした。

(1)は、指数、対数それぞれの基本的な計算で、易しい問題です。

(2)は、素直に代入すれば解けるのですが、問われていることは「奇関数」「偶関数」となるか、ということであり、関数の表記の仕方に慣れていない人は難しかったと思います。

(3)は、太郎と花子の会話を元に、与式の関数と三角関数の類似点を考える問題でした。加法定理が成り立つかどうかを考えるものであり、誘導通り、β = 0を代入すれば、簡単に解くことができます。しかし、関数の表記が抽象的で、設問文の意味が分からなかった人もいると思います。

補足ですが、与式の関数は、大学数学で学習する「双曲線関数」と呼ばれる関数を数Ⅱの範囲で簡易的に表したものです。関数そのものの難易度が高い、ということです。

大問2

大問2は、2次関数、3次関数の微分積分の問題でした。

(1)は、2次関数のy軸切片での接線を考える問題で基本的な計算、また、その後の面積計算も簡単なものでした。試行調査で出題されたように、グラフを選ぶ問題が出題されています。

(2)は、3次関数にはなりますが、(1)と同様にy軸切片での接戦を考える問題で、ひねりのない素直な問題でした。(1)と同様、グラフを選ぶ問題も出題されています。

微分積分の大問

例年の微分積分の大問と比べると、計算量が格段に減り、「微分」と「接線」という本質的な理解を問う問題だったと思います。計算量が減ったので、易しい問題でした。

大問4

大問4は、漸化式を中心とする、数列の問題でした。

(1)(2)は、等差数列と等比数列の関係を計算していく問題です。見慣れない形ではありますが、誘導が丁寧に書かれているので、計算は進めやすいと思います。

(3)(4)は、漸化式の形から、どのような性質かを読み取る問題でした。式の形を意識していない人には取り組みづらかったと思います。漸化式の数多くのパターンを演習した人にとっては、簡単な問題でしたね。大問全体としては、標準レベルだと思います。

大問5

大問5は、正五角形の平面ベクトル、正十二面体の空間ベクトルを考える問題でした。

ベクトルに関する問題

(1)は、正五角形の具体的な角度を元に、色々なベクトルを表していく問題でした。誘導が丁寧で、難しくない問題です。

(2)は、正十二面体を考え、(1)の平面ベクトルを空間ベクトルに応用していく問題でした。こちらも誘導が丁寧だったので、迷わず進められたと思います。

後半の2つの内積は計算量が多かったですね。計算結果を元に図形の性質を考える、という、複数の事柄を俯瞰して捉える力が必要とされました。大問全体としては、標準レベルだと思います。

共通テスト 数学ⅡB:総評

設問の文章量が増加

基本的な公式や定理に立ち返る表現が多く、問題文の文章量が増加しました。問題冊子のページ数も大幅に増えています。

数ⅡBは試験時間がそのまま60分なので、文章量が増えた分、計算量が減ったのだと思います。

「国語はすべての教科の基本」とも言われますが、一般的に考えられる数学的な力(計算力、公式利用力)よりも、文章を素早く読み、的確に情報を把握する、「情報処理能力」が必要だと言えます。

数ⅠAほど顕著な変化はない

数ⅠAは、問題文に日常生活の数学が入るなど、問題傾向に大きな変化がありましたが、数ⅡBは日常生活の話題も入らず、従来のセンター試験から顕著な変化はありませんでした。

一方で、数ⅡBでは、定理や公式の本質的な理解を問う問題が多く出されていました。

問われる「数学力」は変わらず

問題傾向に変化はありましたが、全体的な大問構成には変化がありませんでした。すべての問題は、公式や定理を適切に使用して、ミスなく計算すれば答えられるものです。共通テストに変わっても、根本的に求められる「数学の力」は変わっていないと思います。

まぐれ当たりが増える可能性あり

数ⅠAと同様、選択肢問題が増えました。そのため、「まぐれ当たり」が増えることが予想され、平均点が上がる可能性があります。

数学のマークテストは、数字を塗りつぶすため、本来は「まぐれ当たり」がほとんど起こらない形式です。

しかし、選択肢問題が増えたことにより、「まぐれ当たり」も増えると思います。

昨年のセンター試験では、「まぐれ当たり」の可能性がある選択肢問題は、全部で6点分出題されていました。

それが今年の共通テストは、選択肢問題が35点分と激増。

選択肢問題が増えたため、「まぐれ当たり」をする可能性は上がったと言えます。

選択肢問題が増加

入試に記述式を導入しようとしたきっかけは、マーク式による「まぐれ当たり」を減らす、という目的もあったはずなのですが、現実としては、「まぐれ当たり」が増えることになってしまいました。

ここまで、数ⅡBについて、共通テストの設問分析を行いました。次回、来年度へのアドバイスを書きたいと思います。

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