2020年大学入試改革情報

共通テスト分析⑥ 数学ⅠA 2021

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こんにちは!

トライプラス鎌取駅前校高等部の青木です。

先日の1月16日、17日に初実施となる大学入学共通テストが行われました。

去年まで実施されていたセンター試験に替わり、今年から新しく実施されたテストです。

新しい入試制度となったことで、問題傾向が変わりました。

そこで、来年度受験する生徒のために、本年度の共通テストの分析と来年度へのアドバイスを行います!

今回は数学ⅠAです。

数学ⅠA 

入試制度の変更

「センター試験」から「共通テスト」になって、大きな変化は試験時間の変更です。

これまで60分の試験時間だったものが、70分になりました。

元々は、記述式を導入するから、という理由で試験時間が延長されたのですが、その中で「文章量が増加して解く時間が足りない」、という声が多く挙がり、記述式が取りやめになっても70分のままになりました。

大問構成
大問1 必答 数と式、三角比 30点
大問2 必答 2次関数、データの分析 30点
大問3 2問選択 確率 20点
大問4 整数 20点
大問5 平面図形 20点

共通テストでも大枠の大問構成はあまり変わっていません。

大問1、2で数Ⅰの内容が出題され、2次関数、三角比、データの分析などが出題されました。大問3、4、5は数A内容の選択問題で、3つの大問から2つを選ぶ形式です。例年通り、場合の数と確率、整数、図形の3つの単元から出題され、その中から2つを解答する形式でした。

数学 IA 共通テスt

配点も従来のセンター試験と同様で、大問1、2で数Ⅰ内容から60点、大問3、4、5で数A内容から40点でした。

設問分析

大問1[1]

大問1は、[1]数と式、[2]三角比 の2つの問題で、30点配点です。

数と式の(1)(2)は基本的な問題で、易しい問題でした。誘導や設問文の会話に従って式を立てれば解けます。

大問1[2]

三角比の問題は、具体的な辺の長さや角の大きさが示されない問題で、取り組みづらい内容だったと思います。実際の計算は、正弦定理や余弦定理、面積公式を使うもので、オーソドックスな計算ですが、どの場面でどの定理を使って式を立てるのか、複雑な問題でした。

角度の「90°―θ」という公式を使えるかがポイントで、難しめの問題でした。

90°-θの公式の適用がポイント

例年、大問1で出題されている「集合と命題」の単元は、出題されませんでした。

大問2[1]

大問2は、[1]2次関数、[2]データの分析 の2つの問題で、30点配点です。

[1]2次関数では、100m走を題材として、タイム、ストライド、ピッチに関する式を立てて計算する問題でした。言葉の意味の説明から入り、具体的な数値から式を求めるもので、とても文章が長い設問でした。

これは私の単なる予想なのですが、この2次関数の設問を記述式で問う予定だったのではないか、と思います。

式が立てられれば、あとは2次関数の最大最小という、オーソドックスな設問ですが、説明文が長く、時間を取られてしまった人も多いのではないでしょうか。また、分数解答するものと、小数解答するものが混ざっていて、答えの数値もあまり練られていないような印象を受けました。

大問2[2]

[2]データの分析は、過去最長と言える文章量でした。各産業の就業者数のデータを図表にしたものが出題されました。

データ分析

(1)の箱ひげ図や(2)のヒストグラムを選ぶ設問は、ほぼ例年通りの出題です。(3)の散布図は特徴を見るだけで易しい問題でした。(4)は散布図の特徴が薄いので、形式に戸惑ったと思います。例年出題されている、相関係数に関するものは出題されず、散布図の形式的な読み取りを考える問題でした。

大問3

大問3は、複数の箱に入っている「くじ」の確率を考える問題でした。

(1)では、条件付き確率を求めるため、計算量は多いですが、誘導が丁寧で解きやすい問題でした。

(3)(4)は、太郎と花子の会話から、条件付き確率での計算について考察する内容でした。文章の内容は、ごく当たり前の内容を言っているのですが、文章量が多く、時間を取られてしまった人が多いと思います。全体的な計算量は多く、やや難しい問題でした。

大問4

大問4は、サイコロを題材として点の移動を考える、整数の問題でした。

サイコロを題材とした整数問題

(1)(2)は、問題設計から不定方程式を考えるものでした。整数分野の大問では、不定方程式は頻出の内容です。誘導に従って計算するだけなので、易しい問題でした。

(3)で問題設計を別の仮定で考察し、(4)で具体的な計算をする問題が出題されました。(4)はただひたすら具体的な数字を当てはめるしかなく、余計な時間を奪われる設問でした。

また、例年出題されている、記数法(n進法)の問題は出題されませんでした。

大問5

大問5は、平面図形の問題です。

3:4:5の基本的な直角三角形をベースに、公式や定理を使って計算を進めていく、一番数学らしい大問でした。

誘導は比較的丁寧な問題でしたが、相似や円周角など、高校範囲以外で考えることも多く、やや難しい問題だったと思います。数Ⅰの三角比と、数Aの平面図形の両方を使うような問題もあり、全体としてやや難しい大問でした。

共通テスト 数学ⅠA:総評

日常生活の題材が出題

大問2の100m走の問題が象徴的ですが、日常生活の中の数学的な事柄について答える問題が出題されました。

これは、大学入試改革の方針でもある、「日常生活や社会生活の中での出来事について、教科と関連付けて学習する態度」を反映させた設問だと言えます。

また、データの分析もこれまでより複雑になり、より多面的なデータや現象について考えることが求められています。

設問の文章量が大幅に増加

上記の内容にも関連しますが、日常生活の話題の説明のために、問題文の文章量が大幅に増加しました。試験時間が10分伸びたとはいえ、その10分の分以上に文章量が増えていると思います。

「国語はすべての教科の基本」とも言われますが、一般的に考えられる数学的な力(計算力、公式利用力)よりも、文章を素早く読み、的確に情報を把握する、「情報処理能力」が必要だと言えます。

問われる「数学力」は変わらず

問題傾向に変化はありましたが、全体的な大問構成には変化がありませんでした。すべての問題は、公式や定理を適切に使用して、ミスなく計算すれば答えられるものです。共通テストに変わっても、根本的に求められる「数学の力」は変わっていないと思います。

まぐれ当たりが増える可能性あり

今回の共通テストは新しい問題傾向にも関わらず、平均点は下がらないと思います。

なぜなら、「まぐれ当たり」が増える可能性があるからです。

どういうことか、ご説明します。

元々、センター試験、共通テストとも全問マーク式の解答ですが、数学は他の教科に比べて、「まぐれ当たり」の確率がはるかに低い教科です。

なぜなら、計算結果の数字を答えるからです。

数学以外の他の教科では、選択肢が用意され、それを塗りつぶす方式です。教科や出題形式にもよりますが、大体4択問題、5択問題が多いですね。それに対して数学では、

1.2 + 3.4 = □.□

という空欄に合うように、数字を塗りつぶす形式です。そのため、数字の入れ方の組み合わせの数だけ選択肢があることになり、上の問題では100択問題です。

センター試験の数学は、数字を答えるため、まぐれ当たりはほとんど起こらないのです。

選択肢問題が増加

昨年のセンター試験では、「まぐれ当たり」の可能性がある選択肢問題は、全部で21点分出題されていました。

それが今年の共通テストは、選択肢問題が37点分。

選択肢問題が増えたため、「まぐれ当たり」をする可能性は上がったと言えます。

入試に記述式を導入しようとしたきっかけは、マーク式による「まぐれ当たり」を減らす、という目的もあったはずなのですが、現実としては、「まぐれ当たり」が増えることになってしまいました。

ここまで、数ⅠAについて、共通テストの設問分析を行いました。次回、数ⅡBについて設問分析をし、来年度へのアドバイスを書きたいと思います。

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