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偏差値の上げ方 ①

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こんにちは!

トライプラス鎌取駅前校高等部の青木です。

高校1・2年生は進路に悩むこの時期、志望校のことについて考えていることでしょう。そのときに気になるのはやはり大学のレベルだと思います。

志望校の選定

大学のレベル(=入試難易度)の指標として「偏差値」がよく使われますが、よく「偏差値」について誤解している話も耳にします。

以下一例。

生徒「先生―、秋の今からどうすれば偏差値上がりますか??」

私 「偏差値を上げるのはなかなか難しいよ。実力は上がるけどね。」

生徒「えっ?偏差値と実力って違うんですか??」

こんな誤解をなくすため、今回は「偏差値」について書きたいと思います。

偏差値の歴史

偏差値誕生のきっかけ

歴史を遡ること1957年。当時は「学力偏差値」という考え方は存在していませんでした。

「学力偏差値」を考えだしたのは東京都の公立中学校で理科の教師をしていた桑田昭三さん。きっかけは志望校判定会議でした。

桑田さんが勤めるその中学校では12月の中頃、「志望校判定会議」という学年会議が開かれていました。「どの生徒に、どの高校を受けさせるか」を決める重要な会議で、校内テストの成績表と生徒の志望校を元に話し合いが行われていました。

志望校判定会議
志望校合格判定基準

校内テストで成績が18位の生徒が◯◯高校を志望している。大丈夫そうなので判定は◎。

19位~21位の生徒も◯◯高校を志望しているが、多少不安があるので◯。

22位の生徒も◯◯高校を志望しているが、無理だと思う。判定は✕で、志望校を変えさせよう。

このような形で会議が進みます。

これに意義を唱えたのが桑田さん。

なぜなら当時、判定を出すための明確な基準がなかったからです。

基準

当時でも一応、曖昧な基準は存在しました。

「去年は学年200人中、順位が22位の生徒が◯◯高校に合格した。今年は学年190人だから21位までだろう。」

というような予測です。

しかし、この基準はとても曖昧です。

去年の22位の生徒の学力が、今年の生徒では何位と同じレベルなのかは分かりません。

問題も違えば、平均点も違う。一つの中学校の校内順位では判断できません。

校内順位はテストのたびに変動します。

去年の22位の生徒が、◯◯高校の合格者の最低点なのかも保証がありません。

このような曖昧な基準で会議は進みます。

志望校をそのまま受けさせるかどうか。それは教師の「勘」で決定されていました。

物理実験からの導入

桑田さんは悩みました。

「こんな非科学的な指導を続けていいのか。もっと科学的・合理的に、生徒の学力を推し量る方法があるのではないか。」

試行錯誤の末に目をつけたのが、物理実験の測定でした。

物理学の実験では、測定データを分析するときに、「標準偏差」という考えを使います。「標準偏差」とは、「データの散らばり具合」を表す数値のことです。

詳細な計算は次回以降の記事に回しますが、例えば10点満点のテストで、

A:{ 3,4,4,5,5,5,5,5,5,6,6,7 }という12人のデータの場合、標準偏差は1という値になります。

B:{ 1,2,3,4,4,5,5,6,6,7,8,9 }という12人のデータの場合、標準偏差は2.27です。

AもBも、どちらも<平均値が5点>のデータの集まりですが、分布が異なっています。

Aのデータの範囲は3点~7点で、数値は5点に集中しています。Bのデータの範囲は1点~9点に広がっているので、「散らばり具合」が大きいと言えます。大きい、小さい、という言葉だけではうまく比べられないので、数値で表したものが「標準偏差」なのです。標準偏差のことを数学の記号でσ(シグマ)と表します。

そして、理想的なデータの分布の場合、平均値から±σの範囲までに、データの約66%が含まれることが分かっています。

つまり、標準偏差という「散らばり具合」を表す数値を使うと、「平均値からどれくらいずれているか」を表すことができるのです。この値を数学用語で「標準値」と言い、日常感覚の数字に直したものが「偏差値」です。

偏差値という考え方

標準偏差と偏差値

偏差値は次の式で計算できます。

偏差値=(得点―平均点)÷ 標準偏差 × 10 + 50

例えば、Bのデータの集まりの中で、「5点」、「6点」、「9点」の偏差値をそれぞれ出してみましょう。

5点 : (5-5)÷2.27 ×10 +50 = 50       偏差値は50

6点 : (6-5)÷2.27 ×10 +50 = 54.4      偏差値は54.4

9点 : (9-5)÷2.27 ×10 +50 = 67.6      偏差値は67.6

いかがでしょうか?

「6点」も「9点」もどちらも平均点より上の得点ですが、「平均からどのくらい離れているか」が感覚的に分かりやすいと思います。

また、「5点と6点の差」と「8点と9点の差」はどちらも「1点」ですが、それを取る人数が違えば、1点の重みは変わってくるはずです。「偏差値」はデータの散らばり具合から算出されるため、1点の重みも考慮しています。

偏差値の効用

「標準値」(偏差値)という考え方は、元々は数学の分野であり、物理学や化学、医学などに利用されてきました。桑田さんは、この考えをテストの得点にも利用したのです。

テストの点数の分析に偏差値を導入することで、いくつもの利点があります。

・テストを受けた集団の中での、自分の位置が数値で分かる。

・異なるテスト(異なる教科や異なる実施時期)であっても比較できる。

・テストごとの誤差をなくせる。

・入試の合格可能性を計算できる。

偏差値を使うと、それまで「勘」で行われていた入試の合格判定に対して、科学的・合理的根拠のある判断ができるのです。

偏差値とは

以上のことをまとめると、「偏差値」とは、

「あるテストを受けた集団の中での、自分の位置を示す指標」です。

平均点をとった人の偏差値を50として、50よりどれくらい高いか低いかを数値で表すことができます。

次回、偏差値の誤解、偏差値の上げ方についてまとめます。

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